はじめに
こんにちは、建設業界に特化した経営コンサルタントの長野研一です。今日は、最近弊社が始めた新サービスについてご紹介します。
新しいコンサルティングスタイルの成り立ち
私は中小建設業の経営コンサルタントとして、様々な企業をサポートしてきました。最近、新しいスタイルのサービスをスタートしました。このサービスは、決算書を預かることなく、「社長のアタマだけ貸してください」というシンプルなコンセプトに基づいています。
サービスの核心:KPI設定の重要性
「決算書も見ずに何をするのか?」と疑問に思われるかもしれません。このサービスの核心は、日々の業務の中から見つけた事実(ファクト)を深掘りし、「ここだけ押さえればこの会社は良くなる」という業績管理指標(KPI)を決定することにあります。
これは単なる経営診断ではなく、社長や事業部門長の頭の中を整理し、気付きをもたらすことを主眼としています。直感を切り出し、生かすことで、企業の成長を促進しようというねらいです。
サービス誕生の背景と目的
もともとは経営計画策定支援のプロセスで、あるいは顧問契約の一環(契約に当たっては定期的にコンサルティング計画をお示しすることにしています)として行っていたこのサービスを独立のメニューとした理由は二つあります。
一つ目は、ファクトに基づいて経営者自身が探り当てたKPIが、経営行動のモニタリング手段として極めて効果的であることを強調したいという思いです。経営計画におけるKPI設定は、往々にして経営計画の外形の中に埋没してしまい、その巧拙があまり問題とされないことが多いからです。
二つ目は、中小企業診断士などとの対話に消極的な経営者が多いのは、経営診断が決算書を中心とした財務数値や原理原則論に終始し、実務に生かせる実感が乏しいからではないかと思われるからです。誰にでも当てはまる原理原則論は、(むろん大切なことですが)翻って言えば自分事と思ってもらえないおそれがあります。
サービスの具体的な内容
このサービスの具体的な内容についてかいつまんで説明します。まず、3年後の重要目標達成指標(KGI)達成に向けて、施主や元請けとのエピソード、変わったニーズなどの事実(ファクト)を深掘り質問で掘り下げます。これにより、業績に直結する重要成功要因(KSF)と結びつけ、顧客視点からのKPI目標、業務プロセス視点からのKPI目標へと具体化します。
深掘りとは、まだやっていないことや、やっているけど徹底していないことを聞き出すことです。社長には様々な質問を投げかけ、じっくり考えていただくことが求められます。具体的なアイデア、さらには行動に結びつくためには、事実を深く突っ込んで固有名詞入りで言語化することが必須です。
中小企業に特化したアプローチ
大企業のKPIはふわっとアバウトなことが多いですが、それが中小企業にも当てはまると考えるのは危険です。現場がどう動けば良いのかがわからなくなるからです。
中小建設業の社長は、プロ野球に例えればオーナーで監督でエースで4番のような立場にあり、将来に向けて経営の舵取りをじっくりと考える習慣がないのが実情でしょう。このサービスは、実のところ「経営者としての時間をいかに確保するか」が裏テーマです。
気づきから生まれる経営の舵取り
会社の経営状態と経営成績をあらわす決算書の重要性は論を待たないところですが、さりとて決算書を読みこなせることが経営者としての最低条件とは思いません。経営の舵取りに必要な情報は必ずしも決算書に現れるわけではないからです。このサービスでは、「とっかかりとして」まずは決算書からスタートせず、日々の業務から得られるファクトを元に、具体的かつ実行可能なKPIを設定します。
中小企業の経営者にとって、本当に必要なのは、現場で何が起こっているのか、何が成功の鍵となるのか、さらにはその鍵をどうやって手にするのかを明らかにすることです。このサービスを通じて、経営者は自社の強みを引き出し、一石三鳥の打ち手を自ら生み出して実践することができるのです。
このサービスを通じて、経営者の直感を最大限に活用し、実践的なKPI設定を行うことで、中小建設業の未来を切り拓くサポートをしていきます。興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。