はじめに
こんにちは、建設業界に特化した経営コンサルタントの長野研一です。今日は、新分野への参入や新プロジェクトの立ち上げなど新たな取り組みにおける事前準備の大切さについてお話します。
最高の種を選ぶ理由
G・M・ワインバーグの名著『コンサルタントの秘密ー技術アドバイスの人間学』には、「農場からの教訓」と題した一節があります。その中で彼は「安い種を使ってはいけない」という教訓を挙げています。これは、経営においても非常に重要な指摘です。
ワインバーグは、種はアイディアに似ているといいます。「種の値段は作物が育った頃には、育成コスト全体から見ればごく小さな部分になってしまう」、つまりアイディアを手に入れるためのコストも、そのアイディアを育てるために投資する金額に比べれば、ごく小さなものとなるというのです。だからこそ、手に入る限りの最高のアイディアを選ぶべきだと強調しています。
土壌の準備とその重要性
ワインバーグはさらに、「土の準備は庭造りの秘密である」と述べています。これは、「最高の種すら、きちんと準備していない土の中では育たない」ということを意味しています。アイディアが成功するかどうかは、それを実現するための準備によって決まるというわけです。
経営における教訓
この教訓は、ビジネスのスタート段階で十分な調査と相談を行うことの重要性を示しています。これは投資コスト全体から見ればごく少額にとどまりますが、ビジネスの成功を分ける重要なプロセスです。
利害関係のない第三者からの助言
ここで重要なのは、相談すべき相手がビジネスに利害関係のない第三者であるということです。例えば、いまDX化を最優先事項として進めるかどうかをITベンダーの営業マンに相談しても、公正な意見が得られるかは疑問です。経営者は、経営上の重要な判断については、利害関係のない専門家に相談すべきです。
慎重な準備と調査の重要性
ある分野に設備投資したり、人材を教育して配置したり、広告を打ったりすることには大きなコストがかかります。しかし、多くの企業は、そのための下地づくりには消極的です。新規事業開発に不慣れであったり、コンサルタントを使った経験がなかったり、タイミングを逃してしまうという焦りがその背景にあるのかもしれません。しかし、慎重な準備と調査は、その後の成功を大きく左右します。
戦略的なタイミングの見極め
新たな取り組みには、適切なタイミングと戦略が必要です。市場への参入時期や方法は、状況によって大きく異なります。タイミングをよく読んで戦略を立てることが重要です。同じ市場への参入でも、適切なタイミングと方法を見極めることで、競争優位を得ることができます。
投資のリターンを最大化するために
あらゆる支出は、何かを得るための投資です。支出以上の見返りが得られるよう、よく考える必要があります。集中できるまとまった時間を確保し、じっくりと調査や相談を行うことで、より良い結果を得ることができると間違いなくいえます。
新たなビジネスへの挑戦
新たなビジネスや取り組みは、今の延長線上にない未来を切り開くためのものであったはずです。固定観念から抜け出し、本質に迫る発想が求められます。同業他社と差別化を図るためには、非常識とも思えるような新しい行動が必要になることもときにはあります。
まとめ
ワインバーグの教訓は、ビジネスにおいて非常に重要です。最高のアイディアを選び、慎重な準備と調査を行うことが、成功への鍵です。新たな挑戦には、適切なタイミングと戦略が必要です。そして、投資のリターンを最大化するためには、集中して準備を行い、固定観念にとらわれずに新しい発想を持つことが求められます。
この教訓を胸に、経営者は新たなビジネスに挑戦し、成功への道を切り開いていくべきです。
たしかにビジネスは、やってみなければわからないところがどうしてもあります。しかし、やってみなければわからないことが、周到な準備をしないでいい言い訳にはなりません。やってみなければわからないからこそ、失敗の要因となることをできるだけ排除し、成功確率を上げることが肝心です。